悩みを哲学的に考え解消してみては?①
皆さんは功利主義という哲学をご存知でしょうか?産業革命期のイギリスで提唱された考え方ひとつで生み出される幸福の量が増大する行動こそ正しく、苦痛の量が増大する行動は間違っているという哲学です。正しさよりも快楽の量を重んじ、内容やプロセスよりも結果を重んじる、ある意味厳禁な哲学であると言えるでしょう。経済が発展し、人々の生活が豊かになった時代を反映する哲学であり理性やモラルはなく、快楽と苦痛によって生きているというも、蓋も無い人間理解を土台にしています。このような考え方は欲望に突き動かされる現代の私たちにも通じるのではないでしょうか。 そこで功利主義に基づいて、私達がなぜダイエットをつけられないの考えてみたら面白いかもしれません。功利主義的に考えるとダイエットが続かないことや、ダイエットをサボること、また一種の快楽が原因だということになります。甘いもの、夜食を我慢せずに食べる間というのは強烈なものがあります。痩せようと心に決めたもの。どうしても深夜にラーメンが食べたくなるという強い欲望時に自分は痩せるんだという理性の働きを凌駕してしまいます。このようにダイエットが続かないことは、功利主義によればそれほど強い快楽だからしょうがないということになってしまうんです。このように正しさや良さを追求する哲学の伝統を打ち破り、人間本来のあり方に迫って快楽というものを見た効率が確かに理にかなった考えかもしれませんが、これはダイエットが続かない私たちの根源的な悩みは解決されません。そこで登場するのが、19世紀イギリスの哲学者JSミルです。ミルは功利主義の生みの親、ジェレミベンサムの思想を深化させ、功利主義の考えをよりバージョンアップさせた。快楽には量だけではなく質もあると唱えました。人は二つの快楽が目の前に、質の高い方を選ぶのだというのです。高級な快と低級な快どちらも知り、どちら