心身の健康はまず腸を整えることから
腸活という言葉を最近よく耳にするように、最近では健康における腸の重要性が広く認識されはじめ、腸内環境を良くしようとか、腸内細菌のバランスを整えましょうということが様々なところで言われております。実際、腸の重要性を強調する本や論文は、大量にあるように腸の健康なしでは健康を語れませんというぐらい、腸を健康にすることは、健康になるための最重要課題となってきております。 腸内に進む細菌や真菌は、人体と環境間で起きる相互作用を決め、アレルギーや自己免疫疾患の発症や予防にもかかわっている。肥満や糖尿病を引き起こすのを防ぐのも、体内の炎症を抑えるのも悪化させるのもこれらの細菌だ。腸内細菌が健康と幸福に欠かせないという証拠は豊富にあり、このことは生活習慣や医療、食事に係る選択をするときは、腸内細菌に与える影響を慎重に考慮する必要があることを意味します。私たちは普段生活しているとき、腸内細菌を意識していないかもしれないが、自分の行動がどのように腸内細菌に影響を与えるのか、どうすれば腸内細菌が喜んでくれ、そしてどうすれば腸内細菌が悲鳴をあげてしまうのかということをしっかりと認識しておく必要があるんですね。また医学博士である江田証さんの「新しい腸の教科書 健康な体はすべて腸から始まる」という有名な本の中でも、腸の重要性が強調されているんです。江田博士は本書の中で次のように述べております。最近になり、腸は全身に大きな影響を与えていることがわかってきました。腸は全身の臓器とつながっており、お互いに影響を及ぼしあっているのです。つまり腸について理解し腸を整えることは、全身の健康につながり、健やかに長生きするために必要不可欠の課題と言えます。腸を整えることで、今までよくわからなかった体の不調がもつれた糸がほどけるように良くなります。また、腸の不調や病気の症状がない人でも腸をリセットすることで、認知症やパーキンソン病などの脳の病気、動脈硬化などの血管の病気、肝臓がんや大腸がんなどを未然に防ぎ、病の対策として役立てることができます。昔は腸内細菌は腸にしか影響をあたえていないだろうと思われていたわけなんですが、近年の研究などによって、腸は全身の健康に大きな影響を与えているんだということが次々に明らかになっております。当然のことですが、健康になりたければ、腸を健康にしなければいけないということになるんです。 上記の通り、腸の重要性についてご理解いただけたかと思います。しかし、残念なことに現代人は腸の状態がどんどん悪くなっているそうなんです。特に日本人の腸内細菌の数は戦前と比べると、1/3ぐらいに減少しているそうです。その理由は、野菜などからの食物繊維の摂取量が減っているといった食生活の大きな変化にあるんです。また、腸は免疫システムにとって非常に重要な役割を果たしております。そのため、食物繊維を餌にしている腸内細菌が減少し、それに伴い免疫力も低下し、さらに免疫のバランスも崩れてしまう為、アレルギー疾患が増えているんだと考えられているんです。